
「甘えの権化」
悪しき平等が、世の中に蔓延し始めて、どれくらい経ったでしょうか。
どうやっても歯が経たない人間がいる。
これを素直に認めてこそ、相手に対する尊敬の念が生じます。
言いかえれば、大人になるまで、この経験をしないまま成長したら、
尊敬するという回路を持たない人間ができあがります。
今、世の中で起きている問題の多くは、まさしく、柔らかな小善に包まれた
平等思想に、起因しているのではないでしょうか。
できないということに直面して味わう、精神的な厳しさ。
その厳しさに向き合うことができず、逃げる選択をする人が多くなっていると聞きます。
実際の人生では、簡単にリセットなどできるはずがありません。
リセット癖は、長い間、「甘え」という病魔として、身体にはびこることになります。
あまりにも当たり前ですが、最初からできる仕事など、この世には存在しません。
その精神的な厳しさに向き合い、乗り越えてこそ、強くなり、道を切り拓くことができます。
乗り越える秘訣はただ一つ。
教えてくれない、マニュアルがない、指示されていない・・・
できない理由を人のせいにする、己の悪しき習慣を、直ちに改めること。
そして、自分のできないことを、いとも簡単にやってのける先輩を、
掛け値なしで心から尊敬し、教えを乞うことができる環境に、心から感謝すること。
今、ひとかどの人間として、それなりに生きている人物は、10代、20代のころに、
経済的または精神的に、決定的にハングリーな機会に出会い、
歯を食いしばって乗り越えた人。
他責思考という、ぬるま湯に一度つかってしまうと、そのぬるま湯から出て、
厳しい環境で働くのは至難の業です。
残念ながら、ぬるま湯の環境が、一生涯保証される世の中でもありません。
今の若い人は・・・と言ったらそれまでです。
私たち経営者がやるべき大切な仕事は、初めて厳しさに触れる、
尊い将来の担い手に対し、厳しくとも温かい手を差し伸べ、鼓舞奮闘しながらも、
一緒に階段を上っていくこと。
これこそ、甘えの権化を根絶し、輝かしい未来を共に育む、世直しの第一歩ではないでしょうか。
人間は皆、神の子。希望を胸に抱き、全力で取り組んでいきたいと思います。















