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2010年08月

2010.08.01

人間性を育む会計学

   大不況が特別でなくなり、景気が良かった頃の前向きな気持ちをきれいさっぱり忘れてしまいそうな今、改めて会計事務所の本当の存在理由が問われています。

 

   完全に供給過多となった経済は荒れ狂う大海です。その荒波を、渡って行くことができず、溺れかけている中小企業を目の前にして、何ら抜本的なアドバイスもできず、励ますことが関の山であり、十年一日の如く、形式的な会計用語を並べ立てている、私たち会計を生業とする職業会計人。

会計事務所の価値は何なのか…

会計は儲ける力のない中小企業にとっては無力なのか…

 

 そもそも、なぜお客様は私たち会計事務所に仕事を依頼するのでしょうか?

「法律や会計の専門家は、自分たちが持っている専門知識(ノウハウ)に価値があるからお客様が相談しに来ていると思っているが、とんでもない勘違いで、お客様は自分が大事に扱ってもらえるから相談しに来ているのである

ドラッカーの厳しい御言葉ですが、正直、完全に否定することはできません。

 

 謙虚で勤勉であるという日本人の最大の美徳である国民性が、弱さと甘えに姿を変えてしまった昨今、職業会計人として最低限、身につけるべき技術の習得さえ難しい現状です。ましてや、その積み重ねである経営について達観するなど極めて困難であると言わざるをえません。

しかし本来、その極めて困難であることに挑戦し、そして精進することにより、魂は磨かれるからこそ、お客様から必要とされる存在 になりうるのではないでしょうか。

 

 今私たちに課せられた使命は、もともと利益を生み出す力を持った企業が操る、術としての会計から、会計そのものが人間性を育み、利益を生み出す、道としての会計にイノベーションすること

 

 多くの中小企業と関わる、私たち職業会計人自身が、自らイノベーションし、社会から再び必要とされることこそ、疲弊した社会への最大のお役立ちであると確信し、精進することをここに誓います。

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