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2024.11.20

業界団体等の懇親会費 飲食費総額の扱いを確認

年末年始が近づき、忘年会や懇親会などの会食に参加される方も多いことでしょう。これらの費用は一定の条件を満たせば、税務上の経費にすることができますが、今回はその中でも業界団体等の懇親会の参加費の処理についてお話したいと思います。

懇親会など飲食のための支出については、令和64月より交際費等の範囲から除外する飲食費の金額基準が引き上げられ、1万円以下であれば損金に算入することができるようになりました。ただ、参加者側において懇親会に要した飲食費総額を把握できる場合には、単に支出した懇親会費が1万円以下であるか否かに限らず、飲食費総額を参加者数で割った額が1万円以下か否かの判断も必要となります。

飲食費とは飲食等に要する費用の総額が前提

法人税の交際費課税における交際費等とは、「交際費、接待費、機密費その他の費用で、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」とされていますが、一定の飲食費は交際費等に除外されます。

令和64月から、交際費等の範囲から除外される飲食費の金額基準については、1人当たり1万円以下に引き上げられました。業界団体の懇親会に参加した場合、会計報告書等の通知等により、その懇親会の飲食費総額が把握できる場合は、その飲食費総額を参加者数で割った額が1万円以下であるか否かを判断することとなります。仮に、計算した額が1万円超の場合は、その超過分だけが交際費等に該当するのではなく、その全額が交際費等になります。

例えば、業界団体の懇親会に参加するにあたり、会員となる各法人が会費1万円を支払っていたとします。しかし、実際に懇親会を催すときに要した飲食費総額が130万円であり、幹事社が会員100人から各1万円の会費を集め、残り30万円については、業界団体の余剰金等から支出し、各会員に通知していたとします。この場合、飲食費総額を参加者の数で割った額については、1人当たり実質13,000円で1万円超となるため、13,000円を交際費等とする必要があります。

飲食費総額の通知がない場合は支出した金額で判定

一方、業界団体等の懇親会が催される場合、会員には会費の提示のみが行われることも多いと思います。

懇親会に出席する度に、会員が飲食費総額を照会することは実務上難しいことから、飲食費総額の通知がなく、かつ、その飲食等に要する1人当たりの費用の金額がおおむね1万円程度にとどまると想定される場合には、その支出した金額で判定しても問題ありません。

今回の内容は以上です。

物価高が進んでいる昨今、飲食代も高騰しております。中小企業の場合、交際費は年間800万円までであれば税務上の経費にできますが、これを越えそうな企業様については、飲食代が一人当たり1万円を超えるかどうかに注意することで節税になる可能性があります。

何かご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。

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